プラスチック・樹脂とは何か?

製造業の基礎

プラスチック・樹脂とは何か?

この記事では、樹脂について説明しています。

目次

樹脂とは何か? プラスチックはポリマーが絡み合ってできている 合成樹脂の分類 汎用プラスチックの代表例 エンジニアリングプラスチックの代表例 スーパーエンジニアリングプラスチックの代表例 熱硬化性樹脂の代表例 プラスチックの成形・加工



この記事の要約

・樹脂は元々、樹の脂の性質を持つ植物由来の物質を呼んでいた。
・樹脂は意味が広くなった。樹脂の特徴を持った、動物性や石油由来の生成物も樹脂と呼ぶようになった。特にプラ スチックは合成樹脂とほぼ同義である。
・合成樹脂には、熱で柔らかくなるものと熱で硬くなるものがある。構造により性質の違いが生まれている。
・熱で柔らかくなるものについては、柔らかくなる温度の違いで更に3つに区分される。
・プラスチックはモノマーの組み合わせや選び方で性質が変わってくる。
・プラスチックの加工の基本は、温めて、形を変えて、冷やして固定することである。

それでは本題に入って行きましょう。

樹脂とは何か?

樹脂は文字通りに読めば樹から採れる脂ということになりますが、実際には脂に類した 性質を持つ植物由来の物質を広くこう呼んでいます。
場合によっては、動物由来のものを含めることもあります。

天然樹脂と合成樹脂

樹脂の中でよく知られているものといえば、を挙げることができます。
漆
引用:ウィキペディア (Wikipedia): フリー百科事典 漆

漆はウルシ科の植物から採取した樹液を精製したもので、主として食器や家具などの塗料に使われています。
また、ゴムの木から採れるゴム、柿の実から絞り出した汁を発酵・熟成させた柿渋なども樹脂の仲間です。
柿渋はうちわなどに塗って耐久性を高めるのに今も使われています。

一方、動物由来の樹脂としては膠(にかわ)があります。
膠は動物の骨から抽出したコラーゲンを原料とした製品で、日本画の絵の具を定着させるための材料としておなじみ です。
これら動植物に由来する樹脂は、総称して天然樹脂と呼ばれています。

天然樹脂と反対の合成樹脂は石油を原料とする化学薬品から合成され、天然樹脂に似た特性を持つ物質ですが、天然樹脂に比べると安価で供給量が安定しているため、工業用の原材料としては現在、合成樹脂の方がシェアが高くなっています。

合成樹脂が発明されたのは19世紀半ばのアメリカで、20世紀初頭あたりから工業用材料としての利用が進みました。
日本においては20世紀中ごろの高度経済成長期において広く普及するようになりました。

合成樹脂の優れた点は、原料の配合や分子の大きさ等をコントロールすることによって、用途に応じたさまざまな特 性を持たせることができる点にあります。
硬度・粘度・耐熱性・耐光性など、多様なバリエーションを生み出すことが可能です。

その結果、合成樹脂には非常にたくさんの種類があります。
比較的よく知られているところでは、ポリエチレン・ポリウレタン・ポリ塩化ビニール・アクリルなどがあります。
調理器具でおなじみのテフロンも、フッ素を使った高耐熱性の合成樹脂です。

食品用ラップフィルム
ポリエチレン製の食品用ラップフィルム

ポリウレタン製の スポンジ
ポリウレタン製の スポンジ

プラスチックとは?

ここまで合成樹脂のお話でしたが、ここまで読むと、
「これらの製品は、つまりプラスチックなのではないか?」
とお気づきになる方もいるでしょう。
そう、合成樹脂とプラスチックは同じものです。

もともとプラスチックは「可塑性のあるもの」という意味の英語で、樹脂の性質を言い表す言葉なのです。
可塑性とは、力を加えると変形する性質のことをいいます。
したがって、同じ製品を時と場合に応じて樹脂と言ったりプラスチックと言ったりしているのです。
使い分けの基準は厳密に設けられてはいませんが、日本ではおおむね原材料の状態にあるものを樹脂、加工を施して 完成品になった状態のものをプラスチックと呼んでいます。

「プラスチック」という言葉についての補足

可塑性を持つ物体はプラスチックだけでなく、例えば金属なども圧力を加えて変形させることができるため可塑性を持つことになります。 プラスチックという用語は曖昧であることから、学術的にはレジン(resin)という言葉が使われます。 JIS規格では「必須成分として高重合体を含み、かつ完成品へのある工程のある段階で流れにより形状を与え得る材料」となっています。

合成樹脂の最大の特徴は、まさにこの可塑性にあります。
木材や金属などに比べると成形しやすく、1つの型から同じものをたくさん作れるため、大量生産に向いています。
そのため、現代生活のさまざまな場面に用いられるようになっています。
身近なところでは食器や玩具、家電製品の筐体、包装材料。
工業などでは、建築資材や車両・船舶のボディなど、ありとあらゆるところに樹脂製品が使われています。

ここまでで合成樹脂とプラスチックが同じものであることがお分かりいただけたかと思います。

プラスチックはポリマーが絡み合ってできている


プラスチックの語源は「可塑性のあるもの」というものでした。
では、プラスチックの可塑性はどのように成り立っているのでしょうか?
この節では、代表的なプラスチックの構成要素について取り上げて見ていきます。

まずは、プラスチックを語る上で欠かせない、重合モノマーポリマーについて説明します。

ポリマー
引用: 株式会社アート工房(教材イラスト図版工房より)

上記の図では、エチレンが重合して、ポリマーになっている様子です。

絵の中でエチレンの状態では手を自分で組んでいます。
上の化学式では炭素が二重結合していることを表します。
エチレンは化学反応により、二重結合している部分を他の2つのエチレンと組み合わさるために使うことができます 。
連鎖的にエチレン同士が繋がることで、エチレンが2個3個...と多数のエチレンが結合することができます。
こうして結合が続くと、とても大きな質量の分子ができます。
これがポリマーです。
繰り返し結合してポリマーになることができる物質をモノマーと呼びます。

モノマーが結合していき、ポリマーを形成する反応を重合反応と呼びます。

合成樹脂
画像引用: ウィキブックス

プラスチックの中では、ポリマーが複雑に絡まっています。
プラスチック内は、ポリマー規則正しく並んでいる結晶構造と形の定まっていない非晶構造に分かれ ます。

結晶部分は動きに制限があるため硬く、非晶部分は動きに制限がないため柔かいです。

材質により異なりますが、大部分が非晶構造でできています。
熱を加えると非晶構造部分が自由に動くようになり、可塑性が生まれます。
プラスチックの可塑性は非晶構造の部分によって実現されます。

結晶構造の部分が多ければ強度が高くなり、硬くて透明度が低いプラスチックになります。
非晶構造の部分が多ければ柔らかくて透明なプラスチックになります。

結晶度が高い
結晶度が低い

画像引用: 株式会社 ジャパックス様
2つともポリエチレン製だが左は結晶度が高く、右は結晶度が低い
レジ袋は結晶度が高く硬いため、シャカシャカ音がする

プラスチックは温めていくと、非晶部分が熱運動により動きやすくなり変形するようになります。
更に温めると、結晶部分がほぐれて液体の状態になります。

合成樹脂の分類


前節ではプラスチックの構造の一例をあげ、可塑性について触れました。

世の中には様々なプラスチックがあり、前節で見たプラスチックとは違う性質を持つものがあります。
この節では、プラスチックの分類を見ていきましょう。

プラスチックを分類するとき、大きく2つのパターンに分類されます。
プラスチックの分類
画像引用: サントー試作モデル株式会社
1つ目は、分子レベルの構造に着目して、特徴を分類していくパターンです。
2つ目は、熱可塑性や熱硬化性などの、素材レベルの物理的・化学的な特徴で分類していくパターンです。

分子レベルの構造に着目したパターン

主な構造として、結晶性・非晶性、架橋構造、液晶性を挙げることができます。

特に、結晶性・非晶性プラスチックという用語はよく使われます。

架橋構造は、後述する熱硬化性樹脂であることが多く、液晶性もエンジニアリングプラスチックの機能の一つとして カウントされるため、結晶性・非晶性ほどには分類に用いられません。

1. 結晶性・非晶性

前節の代表的なプラスチックの構造では、プラスチックは結晶部分と非晶部分で構成さ れ、非晶部分が多く含まれるとお伝えしました。

さらに言えば、プラスチックは、結晶部分が含まれるプラスチックと一切含まれないプラスチックに分けることがで き、含まれる場合は結晶性プラスチック、含まれない場合は非晶性プラスチックと呼ばれます。

結晶性プラスチックでは、結晶部分の構成比率を結晶化度と呼び、特性を判断する一つの指標になります。
結晶化度が高ければ、強度が高くなり、硬く熱に強くて透明度が低いプラスチックになります。
結晶化度が低ければ、柔らかくて透明なプラスチックになります。
※ただし、透明度については混ぜものや粒子の大きさによって異なるため、あくまで一般的にはというところが注意点です。

同じ材質でも、製造方法によって結晶化度が変わります。
例えば、ペットボトルの飲み口については透明なものと白いものがあります。
ペットボトルは成型時に急冷することにより、結晶化を抑え透明性を出します。
飲み口については、加熱処理を加える加えないで透明性が変わります。
白いものについては、耐熱性を持たせるため、加熱処理を施し、結晶化度を高めています。

結晶化
画像引用: 東静容器株式会社様

結晶性と非晶性のプラスチックでは、熱を加えた時の状態の変化が異なります。

結晶性プラスチックは、溶融する際、結晶部分を解くためにエネルギーが使われます。
そのため、融点がはっきりしています。
一方、非晶性プラスチックでは熱を加えるごとに徐々に柔らかくなり液体に近づいていくため、融点がはっきりわか りません。

また、結晶性プラスチックでは溶融した際、結晶部分を解くために使われたエネルギーが熱運動に変わるため、一気 に体積の増加を起こします。
急激な体積の増減は加工の際に欠陥を起こす要因になります。

2. 架橋構造

これまでは熱を加えると柔らかくなる性質のプラスチックの構造について説明しました。

直鎖状のポリマーが熱を加えることで動きやすくなるということでしたが、直鎖状ではないポリマーも存在します。
ポリマーより重量の軽い直鎖状のプレポリマー同士が化学反応により、部分部分が立体的に結合してポリマーが形成 されるとポリマーとしては立体の網状の構造になります。
部分部分が立体的に結合している構造を架橋構造といいます。

合成樹脂ではありませんが、架橋構造が日常的に利用されているものが身近にあります。

普段使う輪ゴムは、天然ゴムに架橋構造を持たせることで力を加えて変形した後も元に戻ろうとするため、弾性があります。
つまり、架橋構造は弾性を生みます。

立体的に結合している部分が多ければ、より硬く動きにくくなります。
立体的に結合している部分が少なければ、柔らかくなります。
架橋部分は強い結合であるため、熱や薬品に強く柔かくならない部分です。

形状記憶の機能を持ったプラスチックは架橋構造と熱をうまく利用したものになります。

架橋部分があって弾性があり、温めると柔かい状態になることができるプラスチックは形状記憶の性質を持ちます。

冷めた状態ではある一定の形状を取ろうとします。
この状態では力が加わると曲がります。

温めて柔かくなるとゴムに近づき、引っ張る力で元に戻れるようになるため、形を元に戻すことができます。

3. 液晶性

分子の構造が棒状のポリマーが溶融した際、分子が等方向に並び、液晶性を持つことがあります 。

この液晶性とは、固体のようにある程度規則的な並び方をするが、液体のように流動性を持つという中間的な状態の ことです。

液晶
画像引用: 日本女子大学様 「液晶とは」ページ
分子が等方向に並ぶことで特徴が生まれます。

強度、弾性、耐熱、溶融状態での流動性、振動吸収、気体を通さない性質など長所を持ちますが、等方向に並んでい るため、ある方向に対してのみ力を発揮します。
また、等方向で並ぼうとするため、角がある場合分子の密度が低くなり、角が脆くなる欠点があります。

等方向であることによる欠点は、ガラス材を混ぜたり金型に工夫を施すことで緩和します。

物性的な特徴による分類


合成樹脂は、大きく分けて熱を加えると柔らかくなる熱可塑性樹脂と反対 に硬くなる熱硬化性樹脂に分けられます。

熱可塑性樹脂はポリエチレンポリエステルアクリルなどがその代表格で、消耗品に使われることが多くなっています。
熱硬化性樹脂は耐久性を要求される製品に使われることが多く、メラミンエポキシなどが知られて います。

熱可塑性樹脂は、既出の図のように直鎖状の分子で形成されています。
そのため、それぞれの分子については束縛する力が弱く、熱により分子の動きが活発になると動きやすくなるため、 加熱で軟化する性質を持ちます。
熱すれば柔かく、冷ませば硬くなり、一度硬くなっても再加熱で柔らかくなります。

熱可塑性の樹脂については、耐熱性、強度により、用途が幅広く変わります。
これらをさらに分類して、汎用プラスチックエンジニアリングプラスチックスーパーエンジニアリングプラスチックに分けられます。

ポリマーの主鎖の部分にそれぞれ特徴がありプラスチックの強度に違いを生んでいます。

1. 汎用プラスチック

鎖状部分(主鎖)が炭素でできています。

安価に大量生産されていることが特徴で、プラスチック製品全体の約8割が汎用プラスチックです。
相場は200円/kg前後のものが多くなっています。

2. エンジニアリングプラスチック

耐熱性が100℃以上あり、強度が50MPa以上、曲げ弾性率が2.4GPa以上あるプラチックをエンジニアリング・プラスチックと呼びます。
略して「エンプラ」とも呼ばれます。
鎖状部分(主鎖)に炭素以外の元素を含んでいます。
汎用プラスチックは主鎖が炭素でできていましたが、炭素だけでできた場合、それぞれの炭素は回転運動をしやすく なります。
その場合、温度が上がった際に回転運動に耐え切れなくなり熱分解が起こります。
耐熱性が低いためです。

一方で、エンプラでは炭素以外の元素を含んでいるため、回転運動が起こりにくくなり、耐熱性が上がります。

相場は300〜400円/kg前後のものが多くなっています。

3. スーパーエンジニアリング・プラスチック

更に耐熱性が150℃以上あって長期間の使用に耐え、エンプラ の持つ特徴を一つ以上上回っているプラスチックをスーパーエンプラと呼びます。
略して「スーパーエンプラ」とも呼ばれます。

エンプラでは、主鎖に炭素以外の元素を含んで、汎用プラスチックより熱分解に強くなっていました。
スーパーエンプラでは主鎖にベンゼン環かフッ素を含みます。

ベンゼン環を含んだ場合は、炭素が同一平面上に六角形にならぶ部分があり、その付近での運動は起こりにくくなり ます。
ベンゼン環同士の距離がより近いほど、耐熱性の向上が期待できます。
また、フッ素を含んだ場合はフッ素と炭素の距離がとても近く結合が強いため、熱や化学的な安定性をもたらします 。

相場は800〜10,000円/kgと幅が広くなっています。

熱硬化性樹脂は、加熱前はプラスチックとしては完成していないモノマーとポリマーの中間でできている物質です。
加熱した直後は熱可塑性樹脂同様、柔らかくなります。

反応性混合物でできているため、加熱が進むと反応が始まります。
反応の際に隣同士のポリマーだけではなく、周りのポリマーと結合することで立体的な結合を作ります。
立体的な結合が生まれるため、動きづらい強い結合になり、硬くて熱や薬剤に強くなります。

一度結合が済むと、冷ましても結合が解けないため、柔らかくなりません。
実際には熱を高める手法でなくとも、反応を促進させる薬剤を用いることで硬くなるものもあります。

熱可塑性樹脂と違い、一度硬くなると特定の薬品を使わなければ柔らかくならないため、加工時に失敗すると再利用 ができないということが欠点になります。

ここからは、先ほどの分類にあわせて、代表的なプラスチックを見ていきましょう。

汎用プラスチックの代表例

汎用プラスチックには、5大汎用プラスチックと呼ばれるプラスチックがあります。

ところが、5大汎用プラスチックに選ばれるプラスチックは、必ずしも一致しないのが現状のため、5大汎用プラスチ ックに選ばれるプラスチックを見ていきましょう。

1. ポリエチレン(PE)

ラップなどの包装類、バケツやタンクなどの容器類に使われます。
寒さに強く、薬品に強い、電気を通さない、油に強い、吸水率が低いなどの特性があります。
一方で、火に弱い、接着性が悪く塗装が難しいなどの弱点があります。

ラップの材質には様々なものがありますが、ポリエチレンが使われているものはくっつきが悪い反面、安全性が高い と言われています。
酸素は通すので、野菜などを包むのがよいとされています。

ポリエチレンは製法によって、結晶化度に違いがでます。

結晶化度が低いものは、柔軟性が高く、もろくなりにくいため、ラップやフィルム、レジ袋、ビニール袋に使われま す。
その代わり、熱に弱くなります。
スーパーでビニール袋と呼ばれているものの多くは、結晶度の低いポリエチレンでできていることが多くなっていま す。
ビニール袋は元々ビニール製だったのですが、現在では名前だけが残りポリエチレン製のビニール袋という不思議な 状況が生まれました。

結晶化度が高いものは、より硬く熱に強く、不透明度が高くなります。
バケツや灯油タンク、袋などに使われます。

ポリエチレン
ポリエチレン

画像引用: ウィキペディア (Wikipedia): フリー百科事典 ポリエチレン

2. ポリプロピレン(PP)

ポリプロピレンはポリエチレンと構成されている元素が同じで、吸水率が低い、 電気を通さない、軽量、安全性が高い、薬品に強い、燃えやすい、塗装が難しいなど似た特徴がある一方で、紫外線の影響を受け、日常使いで劣化してしまう欠点があります。
硬く、汎用プラスチックの中では一番耐熱性が高いなどの特徴があります。

ポリプロピレン
ポリプロピレン

画像引用: 椙山女学園大学 生活科学部 管理栄養学科様 ポリプロピレンページ
画像引用: タキロンポリマー株式会社様

そのため、ポリエチレン同様、バケツやCDケース等似た用途でも使われますが、硬さや耐熱性のために繊維として衣 料品やテント、工業用品など利用用途が変わっています。

柔かさが求められる製品への広がりはポリエチレンが広く、硬さや耐熱性が求められる用途についての広がりはポリ プロピレンの方が広いと言えるでしょう。

ちなみに人工芝にもポリプロピレンは使われていますが、前述のポリエチレンの方が柔らかく長い芝で体への負担が 小さいということでポリエチレンが採用されるケースが増えてきています。

3. ポリスチレン(PS)

ポリスチレンは非晶質です。

透明性が高く、外で使用しても材質に変化が起こりにくい、電気を通しにくい、加工がしやすいなどの特徴がありま す。
単独では耐熱性が弱い、衝撃に弱い、薬品に弱い、耐油性も弱いなど欠点があります。

食品系の容器、発泡スチロールにもポリスチレンが使われています。
高い透明度や日常使いでの変化の少なさを活かし、CDケースや、自動車のランプカバーにも使われています。

ポリスチレンは、単独での欠点をカバーするため、他の材料と配合されて使われることも多いです。

発泡スチロールはポリスチレンからできています。
発泡スチロールには空気が大量に含まれるため、乱反射で白く見え軽いのが特徴です。
軽量で断熱性、緩衝性、耐水性に優れるため、至るところで使われます。

カップラーメンの容器にも使われます。
この際は、熱に弱い点をカバーするため、表面に別の素材のシートを張ることで、衝撃や熱に強くしています。

4. ポリ塩化ビニル(PVC)

ポリ塩化ビニルは塩素をエチレンに付加させることでできる製品で、石油の使用割合が約4割ということで石油の使用量は、他のプラスチックに比べてとても少ないプラスチックです。

ポリ塩化ビニル自体は硬いのですが、加熱時に可塑剤と呼ばれる添加剤を加えることで冷めても柔かい材質軟質ポリ塩化ビニルになります。

ポリ塩化ビニルは常温では硬いのですが、5度以下では急激に脆くなる、耐熱性が弱いなど問題があります。

可塑剤により、耐熱性、耐油性、柔かさ、表面の滑らかさ等がコントロールできます。

可塑剤を使うと、接触しているプラスチックに可塑剤が滲み出す恐れがありますが、種類を選ぶことで滲みだしを防 ぐことができます。
他のポリマーと混ぜて使うことで欠点を補い、利点を付け加えることができます。

このように加工しやすく、特徴をコントロールできるところから様々な製品に利用されています。

塩素による安全性や環境の配慮で、規制がたくさん設けられていますが、物性のコントロールにより、マイナス面を カバーすることで食品容器血液用バッグを始めとした医療機器・玩具に用いられます。
また、耐久性・耐水性が強く、表面が滑らかで汚れが付着しにくい点を活かし、水道管建築材とし て使われます。
同様の理由でかばんのコーティングにも使われます。
更にポリ塩化ビニルを使用することで表面に凸凹を付けるエンボス加工が行いやすくなります。

ポリ塩化ビニルエンボス 加工された配管に使われるポリ塩化ビニル
 ポリ塩化ビニル自動車用シートに使われるポリ塩化ビニル

画像引用: 株式会社西原化成様
画像引用: ダティエンタ ープライズ様

5. ABS樹脂

5大汎用プラスチックに含まれないことがある樹脂ですが、汎用性の高さがあり、工業に欠かせ ない素材になっているため、5大汎用プラスチックの一つとして数えられることがあります。

これまでの材質と違い、通常は混ざり合わない材質を混ぜる技術であるポリマーアロイ技術で製造されます。

ポリスチレンの欠点を補うために、アクリロニトリル、ブタジエンがスチレンに加えられ、頭文字からABS樹脂と呼ばれます。
アクリロニトリルは、ポリスチレンの変形しやすさや耐油性を補います。
ABS樹脂はAS樹脂と呼ばれるアクリロニトリル、スチレンでできた樹脂の中にブタジエンが微細に不均一に混じっているような構造です。

ブタジエンは合成ゴムとして使われている素材です。
ブタジエンゴムは反発性や耐摩耗性が優れています。
ブタジエンが微細に混じっていることにより、熱可塑性を保ちながら衝撃に強い性質を持つと言われています。
また、ポリスチレン同様光沢を持ち、見た目の美しさがあります。
ただし、ポリスチレンほど日光による変化が強くないため、長時間日に当たると劣化します。

ABS樹脂に更に材料を加え、特徴をコントロールした樹脂が開発されています。
機械的強度のバランス、塗装や加工のしやすさを持ちます。
メッキを施す素材としても利用できるため、ありとあらゆる工業製品に使われます。
パソコンやプリンター、洗濯機、自動車、おもちゃ、水廻り製品など至るところに使われます。

ABS

自動車にて、ABSが使われているパーツの例

画像引用:テクノUMG株式会社様

6. ポリエチレンテレフタレート(PET)

ペットボトルの名前の由来となっている材料です。
炭素より重い酸素原子が結合しているため、重量に対して、石油の使用率が低めになっています。
汎用プラスチックの中では、重量が重いプラスチックです。

ペットボトルの他食品容器、また、合成繊維として使われています。

製法によって結晶化度に違いがあり、非晶性にも結晶性にもなるプラスチックです。
結晶化度によって大きく性質が変化します。
ペットボトルとして使用される場合の耐熱性は50℃から85℃ぐらいですが、結晶化度が大きい場合は150℃まで耐熱性が あります。

日常用途の容器としては、透明かつ軽く丈夫で柔軟性があることが利点になり、使われています。

エンジニアリングプラスチック


エンジニアリングプラスチックにも、5大汎用エンジニアリングプラスチックと呼ばれる代表的なプラスチックが存在します。

1. ポリアセタール(POM)


摩耗や衝撃、引っ張る力に対してとても強く、高い弾性を持ちます。
高温低温どちらにも強く、また強酸以外の薬品にも強く、小型部品にも使える寸法安定性を持ちます。
また、結晶化度が高く、透明性がありません。
見た目の綺麗さが求められる一般製品より、機能性が求められる部品にメリットが多いプラスチックです。

ただし、加工が難しいのと、燃えやすいという欠点があります。

ベアリング、ネジ、歯車などの機械部品、ファスナーなどに使われます。

2. ポリアミド(PA)


ポリアセタール同様摩耗に対して強く高弾性です。
色づきも良いため、合成繊維として使われます。
その他、強度が高いことを活かして歯車などの機械部品として利用されます。
繊維として強靭なため、防弾チョッキの繊維としても使われます。

弱点としては、吸水性が低く、寸法安定性に欠けることがあげられます。
衣服の繊維として用いられる際は、単体で用いられることは少なく、その他の繊維と組み合わせることで欠点が前面 にでることを抑えます。

防弾チョッキ
防弾チョッキで使われているポリアミド(アラミド繊維)

3. ポリカーボネート(PC)


有機ガラスと呼ばれる特徴を持ちます。

透明性、耐衝撃性、耐熱性、難燃性、寸法安定性、加工性に優れ、軽量である一方、薬品に弱い部分があり、接着剤が使えないアルカリ性の洗剤で劣化するといった注意点があります。

素晴らしい性質を持つ上に、安価なため、航空機・自動車から、電子機器・光学機器・医療器具・防弾ガラスにも利 用されます。
工業製品としても、プラスチック製のネジの中で最も利用されている材質です。

最近のお風呂場のドアは曇りガラスではなく、ポリカーボネート製が使われています。
また、車の採光用のサンルーフにも軽量な点からガラスの代替として使われます。

ただし、傷つきやすいという欠点があるので、ガラスの代替として使用できないケースもあります。

戦闘機のキャノピーにもポリカーボネートが!

ポリカーボネート
ウィキペディア (Wikipedia): フリー百科事典 ポリカーボネート

4. 変性ポリフェニレンエーテル(m-PPE)

エンジニアリングプラスチックの中でトップレベルの軽さのプラスチックです。
非晶性プラスチックで吸水率もとても低く、寸法安定性に優れます。
低温から高温まで剛性、耐衝撃性、耐疲労性が安定しています。
電気に対しても、絶縁性能がとても高いです。

有機溶剤を除き、酸、アルカリに広範な薬品耐性があります。
また、燃えにくいという特徴もあります。

変性ポリフェニレンエーテルとは、ポリフェニレンエーテルに他の合成樹脂を加えたポリマーアロイの総称です。
ポリフェニレンエーテルが単独で使われることはあまりありません。
溶融した際の粘度が高く加工しづらいためです。
この欠点を改善するため、他の樹脂を混ぜることで流動性の改善を行なっています。

軽量であること、寸法精度の高さを活かし、OA機器の枠組みやカバーに使われます。

5. ポリブチレンテレフタレート(PBT)

成形しやすく、熱に対して劣化がしにくい、絶縁性、耐摩耗性、着色性が高いプラスチックです。
添加物により、特性を変えることが容易にできるため、使用用途にあわせて特徴のカスタマイズが行われます。
PBTのうち、半分以上が添加物を加えて使用されます。

物性、価格、加工しやすさにおいてバランスが取れた素材で、用途に合わせたカスタマイズができることから需要量 が増えています。
自動車パーツを始め、ドライヤー、冷却ファン、コネクタなど電気・電子機器に使われます。

スーパーエンジニアリングプラスチック


スーパーエンジニアリング・プラスチックについても代表例を見てみましょう。

1. ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)


あらゆる面において、高機能性を発揮するプラスチ ックです。
相場が10,000円/kgほどするスーパーエンプラ内でもトップレベルの値段になっています。
機能性の高さから、金属の代替として使われることが多いことが特徴です。

耐熱性が250℃、耐熱水性も高く、耐衝撃、耐摩耗、難燃性、絶縁性がとても優れます。
また、耐放射線性にも優れています。
濃硫酸には侵されますが、耐薬品性にも優れています。
安全面でも認められており、食品と直接接触する用途でも使用できます。

欠点は、150℃前後から高負荷に対して曲がりやすくなるため、高温下で使用が考えられる場合は注意が必要になりま す。
また、とても硬く変形が少ないため、刃物での加工時に、プラスチック・刃物共に欠けやすいくなっています。
取扱いに注意が必要なプラスチックです。

このような高機能性から、航空宇宙業界でも使われています。
また、自動車部品は安全性が重視される分野ですが、高温下での耐衝撃、耐摩耗、耐薬品性が高いことから、金属部 分の代替として使用することも可能です。

面白い例としては、自衛隊の戦闘機F-35に搭載されている光ファイバーの接続部分が挙げられます。
F-35には高度なシステムやセンサーが入っており、光ファイバーを通じて、情報のやりとりをしています。

F-35
引用:航空自衛隊様

下記が光ファイバーの接続部分の部品です。黒いカバーの部分がPEEKでできています。
F-35
引用:アンフェノールジャパン株式会社様

2. ポリスルホン(PSU)

耐冷性が-100℃、耐熱性が170℃と幅広い温度で使用できるプラスチックです。
透明性、耐加水分解性、耐薬品性に優れ、耐衝撃性も優れています。

加工が容易という特徴があります。
幅広く使われますが、特殊なところでは人工透析用のダイアライザーと呼ばれる濾過部分に使われます。

3. ポリアリレート(PAR)


強度、耐衝撃性、耐熱性、寸法安定性、耐摩耗性、耐薬品性が良好です。

繊維としての活用も有名で、防刃手袋、エプロン、防潮堤(津波の被害軽減設備)用の繊維として組み込まれます。
火星探査機用のエアバッグ素材としても採用されました。

4. 液晶ポリマー(LCP)


液晶性を持ち溶融時に、結晶構造を崩しません。

強度、弾性、耐熱、溶融状態での流動性、振動吸収、気体を通さない性質など、長所を持ちますが、等方向に並んで いるため、ある方向に対してのみ力を発揮します。
また、等方向で並ぼうとするため、角がある場合分子の密度が低くなり、角が脆くなる欠点があります。
等方向であることによる欠点は、ガラス材を混ぜる、金型に工夫を施すことで緩和します。

5. ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)


フッ素樹脂です。
テフロンという名で製品化されており、フライパンでお馴染みのプラスチックとなっています。

摩擦係数がとても低く、物質がくっつきにくい性質を持ち、-196℃~260℃の広い温度範囲で使用可能で、耐薬品性が圧倒して高く、絶縁性、難燃性を持ちます。
物質がくっつきにくいために、プリンターでトナーを圧力をかけて浸透させる部分やフライパンに使われます。
また、低摩擦な点は、潤滑剤、機械部品として使われます。
広範囲の温度で使用でき、薬品にとても強いため、製造過程に薬品がたくさん使われる半導体製造の装置、化学プラ ント、リチウムイオン電池などの各部品に使われます。

燃えにくく絶縁性が高いことから、ケーブルの被覆としても多用されるなど用途が広い製品です。

6. ポリアミドイミド(PAI)


ポリアミドとポリイミドの両方の特性を持つプラスチックです。

ポリアミド(PA)は柔軟性、加工性に優れます。
一方、ポリイミド(PI)は熱硬化性を持ち、約500℃まで熱分解を起こさないと言われています。
摩擦や絶縁性に優れ、強固かつ薄膜化、厳しい環境の宇宙でも使用されています。

これら2つの特徴を受け継ぎ、柔軟性・熱可塑性を持つため、ポリイミドと比較して加工性が上がっています。

ポリアミドイミドの耐熱温度は約275℃で耐摩耗・耐摩擦・耐疲労・耐薬品性に優れます。
真空ポンプ、コンプレッサーや半導体製造装置、自動車の駆動部や部品、電子レンジ・電子機器など広く用いられま す。

7. 熱可塑性ポリイミド(TPI)


ポリアミドイミドはポリアミドの柔軟性を生み出す、アミド基を加えることで可塑性を持たせたプラスチックでした。
この熱可塑性ポリイミドは、主鎖に回転運動しやすい構造や結合力を抑えることで、熱可塑性を持たせます。

耐プラズマ性も持ち、航空宇宙分野にも用いられます。
日本の自動車産業を中心に消費され、今後の海外展開が注目されるプラスチックです。

熱硬化性樹脂の代表例


熱硬化性樹脂は、絶縁性や構造的に熱可塑性と比較してより熱に対して変化しな い性質を持ちます。

そのため、単体の部品で使用されることより、他の材料と組み合わせて使ったり、接着剤、保護や美観のための塗料 として使われることが多いです。

1. エポキシ樹脂(EP)


耐水性、耐薬品性、耐熱性、絶縁性が高いことから、電子製品のコーティング剤として使用されます。
例として、自動車、船舶のコーティング、建築材の接着剤、コーティング剤としても使われます。

例えば、電子製品では電気が流れる部分と流れない部分を分けることが重要なため、コーティングを施さなければな りません。
紫外線で劣化してしまうため、表面に耐候性の強い別のコーティング剤が使用されます。

また、飲料水の缶の内側にも使われていて、内容物と金属の接触を防ぎます。
缶に開けたら早く飲むように書いてある理由は、開けた後にこのコーティングが弱まり、金属の酸化が始まるためで もあります。

エポキシ樹脂は、炭素繊維と組み合わせることで、耐熱性を持たせたり、耐薬品性を上げることができます。
また、炭素繊維はシート状になっているため、接着性の高いエポキシ樹脂の存在によって、部分の補修を行うなど用 途が広がります。
この組み合わせたものは、スポーツ用品から自動車・航空機の構造部分に使われています。

2. フェノール樹脂(PF)


最も古い人工プラスチックで、1909年にベークライトという製品で誕生しました。
絶縁性、耐熱性、アルカリ以外の耐薬品性がよかったことから、古くは工業を支えるプラスチックの中心でした。
現在では、後発に出されたプラスチックに代替されているケースが多い一方で、他の材料と混ぜることで高機能にな っています。
他のプラスチックに代替されるケースが多いとはいえ、現在でも製造量が多い熱硬化性樹脂です。

安価なため、電子製品の塗料に使われています。
また、バインダーにも使われています。
金属加工の一つである砂型鋳造では基本となる木型に砂をつめた後、金属を流し込むのですが、砂を固めるためにバインダーを使います。
この砂を固めるというところは、3Dプリンターにも関わってきていて、砂型積層3Dプリンターでは砂とバインダーを交互に積層・噴霧を行うことにより造形しています。

3. ユリア樹脂(UF)


ユリア樹脂は尿素とホルマリンを原料に作られていて、熱硬化性樹脂の中では最も安 価です。
フェノール樹脂と似た性質を持ち、配線などの被覆部や接着剤として使われますが、フェノール樹脂より色付けがよ く、ボタンやキャップなどに使われます。

高圧で処理したものは、安全性が高いため、子供用の食器や麻雀牌などに使われています。

4. メラミン樹脂(MF)


メラミンとホルマリンを元に作られています。

ユリア樹脂と似ている部分が多いのですが、硬さや熱、水により強くなり、ユリア樹脂と同様の使い方をされる他に も自動車・電化製品用の塗料としても使われます。
工業系以外にも、身近なところとしては紙や布などの表面に使われます。

メラミン樹脂が使われることでよれにくい強度が付き着色性が増します。
メラミン樹脂が施された紙は、テーブルの木目など、化粧板の表面に使われます。

5. ポリウレタン(PU)


ポリウレタンは製法によって熱可塑性を持つことも可能ですが、ここでは熱硬化性 を持ったポリウレタンについて紹介します。

ポリウレタンは様々な形状を取り、柔かさ硬さの調整がしやすく加工しやすいため、身の回りの馴染み深いところで も活用されています

一つの形状としては、発泡体です。
こちらは、スポンジや靴のインソール、防音材、断熱材など生活に入り込んでいます。

他の形状としては、ゴムのような状態のエラストマー。
こちらは、ゴルフボール、靴のソール、自動車部品、スマホカバーなどに使われます。

その他、製品に使用されている例を見ると衣服やかばんについてもポリウレタンが使われています。
水着、ブラジャー、サポーター、ジャケットなど伸びた後、ゴムより緩やかに戻ろうとする点で使用されます。

他の繊維に塗布することで合成皮革として、革製品に使われもします。

プラスチックの成形・加工


これまで、プラスチックの構造や各種プラスチックの特徴・利用について見てきました。
この節では、プラスチック材料から製品になる過程でどのような加工がされているか確認しましょう。

プラスチックは製造されたとき、粉末か塊となって現れます。
便利なようにペレットと呼ばれる粒子状に成形(成型)されて材料として販売されることが多くなります。
このペレットを、溶かしたり柔らかくしたりしてから成形するといった流れになります。

大別すると溶媒で溶かすか熱溶かすかで分けることができます。

溶媒を使う方法については、プラスチックをそれにあった溶媒で溶かし、適当に形を整えた後、蒸発させて、ポリマーを浮き出させます。
利点としては接着性がよくなるということです。
接着剤やコーティングの際に用いられる方法で一般的なプラスチックの成形には使われません。

後者の熱で溶かす方法について、代表的な手法を挙げていきます。

射出成形


金型に溶けたプラスチックを注入して、冷えて固まったところを取り出します。
冷却は金型が担います。
注入口ばかりで固まらないように金型の冷やし方に注意が必要になります。
また、注入時に空気を逃す必要があり、金型には穴が開いています。

大量生産に向いた成形方法ですが、金型へのプラスチックの流し込み方や、空気の逃げ方、金型の開き方などによっ て生産速度が大きく影響するため、金型の設計が重要になります。

押出成形


溶けたプラスチックは円や四角の形にスペースのある金型を用いて、押し出すと棒状になります。
この金型にスペースを作りそこから押し出して成形する方法を押出し成形といいます。

パイプ以外にも、断面を工夫することでフィルムやシート状のものを作ることができます。

インフレーション成形


丸型の断面を持つ押出機から押し出されてきたプラスチックを柔かいうちに空気を入り込ませることで、薄く半径の大きな筒状のフィルムを作ることができます。

ビニール袋のような薄い袋はこのフィルムを適当な場所で折りたたんで作っています。

ブロー成形


インフレーション成形と同じく空気を利用しますが、更に金型を使います。
空気を入り込ませることでフィルムは膨らみます。
その際に、冷えた金型があれば、金型の形に成形されます。

シャンプーボトルやマヨネーズ容器など中空の製品を作る際に使用されるため、中空成形とも呼ばれています。

熱成形・真空成形


予め作られたシートや板を加熱して柔らかくして金型を用いて、成形することを熱成形といいます。

熱成形の中でも空気を利用したものがあります。
ブロー成形では中から空気を送り込むことで外側の金型に貼り付けていましたが、外側の空気を薄くして金型に貼り 付ける成形方法が真空成形になります。
予め作られたシートや板を加熱して柔らかくして金型とシートの間にある空気を金型側から抜き取ります。

薄いプラスチックを作る際に最適で、スーパーなどにある惣菜や卵などのパックが作られています。

カレンダー成形(圧延成形)


そば打ちと似ています。
そば打ちでは、まな板と麺棒を挟み込んで平らな面を更に延ばしていきますが、カレンダー成形では加熱したロール の間を練りながら延ばします。

大きく広いシート状のものを生成することに向いていて、ラップなどがこの成形方法で作られることがあります。

注型成形(真空注型)


型にシリコンやアクリルを使います。
作る製品と同じ形をしたゴムを作り、そこにシリコンを流し込みシリコン製の型を作ります。
溶かした樹脂をそのシリコン型に流し込み、流し込んだ樹脂を乾燥・固化させることで成形を行います。

小ロット・試作の製品を作るときに用いられます。
型を作る過程で真空状態にすることで型に泡が含まれないようにすることから真空注型とも呼ばれます。

発泡成形


熱や圧力、化学反応などで発泡する発泡剤を混ぜ、細かい泡を発生させます。

材質によっては、発泡剤を使用せずとも製造方法を工夫することでガスが発生するものもあります。

発泡スチロールやポリウレタンなどに発泡成形が使われています。

粉末成形


粉末状の材料を熱したドラム缶状の金型に入れて溶融を行い、回転によって金型内面に樹脂を付着させます。
もしくは熱した金属を粉末状の材料に突っ込み、表面に溶け出した樹脂を付着させます。

前者は大型製品の製造、後者はプラスチックで被覆する際に使用されます。

圧縮成形


たい焼きのように、金型の中に樹脂を入れ、加熱・圧縮して成形します。
熱硬化性樹脂の成形に使われます。

この成形の一例として、ペレットから卵パックのできるまでの動画(カレンダー成形、熱成形)とペットボトルのブ ロー成形の参考動画を載せました。
ご興味お持ちの方はぜひご覧ください。

動画:YouTube 国立研究開発法人 科学技術振興機構

動画:YouTube 高橋化成株式会社

Fabit編集部

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