マンションの建設現場で、首の長いクレーンが大きなものを吊り上げている光景を見たことはありませんか?実はクレーンにも様々な種類があり、屋外だけでなく屋内でも幅広く採用されているのです。今回はそんなクレーンの歴史や種類について紹介していきます。
クレーンの歴史
クレーンは紀元前450年ごろのギリシアで登場したと言われています。その当時は人力によるクレーンで、日本では867年(貞鑑9年)にクレーンを使用したという記録が残されています。当時ははしごに滑車を取り付け、そこに縄を付けて荷物を引き上げるという方法が使われていました。現在、クレーンの種類は実に多様で、天井クレーン、ジブクレーン、クライミングクレーン、橋形クレーン、ケーブルクレーン、アンローダ、テルハ、スタッカークレーンなどがあります。
クレーンの定義
クレーンとは重いものをつり上げて移動させるときに必要不可欠な大型重機です。クレーンというと、ただ荷物を吊り上げるだけの重機というイメージがあるかもしれませんが、「荷物を吊り上げる」と「水平に運搬する」という二つの条件をクリアして初めてクレーンと呼びます。
吊り上げ機能しかない重機はクレーンではない
荷物を吊り上げる際に人力を使う場合は、クレーンとは呼びません。また水平に運搬する場合は、動力でも人力でもどちらが使われていても良いそうです。クレーンには移動式から、固定されているものまであります。ただし条件をクリアした重機のみをクレーンと呼ぶので、吊り上げだけを行う重機のことは「ウインチ」「ロングリフト」「エレベータ」と呼びます。
クレーンの種類は約50種類以上!
クレーンの種類は実に多く、およそ50種類以上もあるといわれています。今回はよく見かける「タワークレーン」から工場で使用されている「固定式のクレーン」などを紹介していきます。タワークレーン
大きな荷物を吊り上げたり、移動させたりするクレーンはタワークレーンと言います。高層ビルの建設時など、街で見かけるクレーンの多くは実はタワークレーンなのです。移動式クレーンよりも場所をとらないので、ビルが連なる密集地での工事には欠かせない重機の一つです。
固定式のクレーン
固定式のクレーンは、移動範囲が限られています。動力源として電動機が必要となります。電線を取り付けて給電が行われているのです。天井クレーン
天井クレーンは、天井近くに設置されているクレーンのことを指します。建造費や維持費が安いため多くの工場で普及しています。
画像引用: 不二工業株式会社様
ジブクレーン
ジブという腕の先端部分に荷物を吊り下げるクレーンのことを指します。天井クレーンの次に多く使用されています。種類も多様で、低床ジブクレーン、塔形ジブクレーンなどがあり、用途に合わせて利用されています。
画像引用: 株式会社キトー様
橋形クレーン
橋形クレーンは門形クレーンとも呼ばれていて、主に屋外で使用されています。橋形クレーンは天井クレーンの両端に脚をつけ、地上にあるレールの上を走行するタイプのクレーンとなっています。
画像引用: 株式会社ナニワ製作所様
アンローダ
陸揚げするクレーン。陸揚機とも呼ばれ、埠頭などに設置され、鉱石などのバラバラに散らばっているものを船から引き上げる役割を担っています。
画像引用: 有限会社伸和工業様
ケーブルクレーン
二つの塔の間にケーブルを張り、ロープを軌道としてトロリが横行するクレーン。道路などを建設する必要がないので、山や坂の傾斜が険しいところで活躍しているクレーンです。

画像引用: 日本ダム協会様
テルハ
高いところに設置されたレールの上をホイストが移動するクレーンです。巻き上げと横の動きのみを行う構造となっていて、レールの種類が多く、直線だけでなく曲線、ループ型などがあります。
画像引用: 有限会社藤原電機製作所様
移動式クレーン
道路を走っているクレーンは、移動式クレーンと言われるタイプです。エンジンを搭載しているので作業場所に合わせて移動させることが可能です。ラフテレーンクレーン、オールテレーンクレーン、トラッククレーン、カーゴクレーンなどの種類があります。
まとめ
クレーンは使う場所や目的に合わせて様々な種類が存在します。昔から使われているように荷物を吊り上げるだけでなく、天井クレーンのように工場や作業所内での作業を支えているクレーンもあります。参考サイト:
http://www.crane-club.com/study/crane/definition.html
http://www.kito.co.jp/products/cr/