東京都荒川区は製造業の街!

製造業の基礎

東京都荒川区は製造業の街!

東京都の北東部に位置する 荒川区
人口はおよそ21万人と東京23区の中では少ないほうに数えられる一方で、区域が狭いため人口密度が高い区でもあります。

荒川の地図

引用: Wikipedia 荒川区

近年は南千住地域にマンション開発が相次ぎ、人口も増加傾向にあるそうです。
一方で荒川区は、 生活関連産業を中心に、多様な産業が集積する製造業の街として発展 荒川区役所HP )してきたという歴史を持ちます。
全事業所のうち約5分の1の事業所が製造業で、その割合は全国平均や都平均を大きく上回り、東京23区内でも2位に位置 (同)するとのこと。
そんな、数多くの製造業者がひしめく街、荒川区の製造業事情を紹介していきます。

製造業が集積する「ものづくりの街」荒川区

荒川区はその約75%が 準工業地域 の、住・商・工の混在したいわゆる『下町』です。
区域は北側に流れる隅田川に沿うように東西に広がり、明治時代以降、この隅田川の水を使うために多くの工場が建設され、工業化が早くから進んだと言われます。
ちなみに区名の荒川区は、現在の隅田川がかつての荒川だったため(後で作られた放水路が本流に変更された)につけられた名称です。

隅田川

川沿いに大工場が立ち並び、その近隣には関連する金属加工をはじめ、印刷関連、皮革、衣服、自転車、鉛筆、家具などの町工場が集積していきました。
製造業が集積するものづくりの街 荒川区は、こうして形作られていきます。
また、江戸時代からの伝統技術を今も伝承する職人が多数存在し、現在も活躍しているというところも、荒川区の特色の1つとなっています。

荒川区の産業特性

東京商工会議所・荒川支部のHP
では、荒川区の産業特性を以下のようにまとめています。

<事業所の規模>
従業員が30人未満の小規模事業所が全事業所の9割以上を占め、大規模な工場や工業団地等は存在しない。
<事業所数の推移>
事業所数は1991(平成3)年以降、減少傾向が続いている。2006(平成18)年は、1991(平成3)年から28%減少した。
<事業所数の内訳>
産業別事業所数の内訳では、製造業が全体の24.7%を占めており、23区平均(9.8%)と比べて高めの数値となっている。その他、建設業も7.1%と23区平均(5.5%)と比べて高い数値を示している一方、情報通信業、医療、福祉、教育、学習支援業の割合は7.9%で23区平均(11.3%)よりも低めの数値となっている(平成18年事業所統計より)。
<製造業の業種別内訳>
製造業では、印刷・同関連業が全体の18%を占め、ついで金属製品製造業が16%と続いている。

上記のまとめを読むと、街には印刷関連業、金属製品製造業を中心に小さな町工場が立ち並ぶ、古き良き時代の『下町』の様子が浮かんできます。

地域産業振興のための『MACCプロジェクト』

荒川区では、その特徴であるものづくり、製造業の活性化において興味深い取り組みを行っています。それが、平成18年度からスタートした MACCプロジェクト (マックプロジェクト)です。

「MACCプロジェクト」は、荒川区内のモノづくりに関わる新事業展開を支援していくためのプロジェクトです。
荒川区内企業を中心とした有機的な「顔の見えるネットワーク」を構築し、技術と知恵を集結して新たな事業を絶え間なく生み出す「荒川区版産業クラスター」の形成を目指しています。

荒川区役所HP MACC概要

荒川区に拠点を置いている大学・高専(山形大学工学部/首都大学東京/東京電機大学/東洋大学/都立産業技術高等専門学校)に加え、様々な外部の支援機関と連携を図りながら企業支援を行っていくというこのプロジェクト。
横の連携や外部への情報発信、あるいは最新技術のアップデートといった部分に弱みを持ちがちな中小企業の弱点を補い、新たなイノベーションを起こしていくうえで、画期的な取り組みと言えるのではないでしょうか。

専属のコーディネータがワンストップで企業に対応

MACCプロジェクトで特徴的なのが、 調査役として専属コーディネータ(MACCコーディネータ)を配置している ところです。
単なるスローガンだけではなく、彼らが実際に各大学や支援機関と中小企業を結びつけ、さらには経営相談から販路開拓なども提案することで、きめ細かい企業支援を実施しています。

産学連携のコーディネートはもちろん、経営相談から販路開拓といった課題までワンストップで対応する企業支援の「かかりつけ医」として、MACCプロジェクトに参加する企業を強力に支援しています。

荒川区役所HP MACC概要

区が先頭に立ってものづくり産業を支援していこうというこの姿勢は、荒川区の多くのものづくり企業にとっても、良い刺激となっていることでしょう。

プロジェクトによって画期的な商品開発の事例も

MACCコーディネータの支援によって荒川で生まれた数々の商品群が、MACCプロジェクトのサイトで紹介されています。
これを読むと、産学連携のための支援のほか、補助金申請や助成金の獲得、海外の専門家の招聘、海外展開、知的財産権の検討、外部支援団体との連携、そしてプロジェクト参加企業同士の連携など、MACCコーディネータが様々な形でものづくり企業を支援していることがよくわかります。
荒川区役所HP MACC(マック)商品紹介

まとめ

製造業の街として発展を遂げてきた荒川区。
いまも昔も変わらず、区を挙げた画期的なプロジェクトを継続させて、ものづくり企業を支援しているということがよくわかりました。
例として、MACCプロジェクトでは、今後に向けて以下の課題に取り組もうとしています。

  • 新分野に対する支援の拡大
  • 若手経営者・後継者の人材育成
  • 連携ネットワークの強化
  • 他の自治体との協力

荒川区役所HP 今後の主な取り組み

荒川区のものづくりへの真摯な取り組みは、近い将来大きな成果を生み出してくれることを期待できそうです。

Fabit編集部

Fabit編集部

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当メディアは製造業にスポットライトを当てて、今まで交わることのなかった工場と工場、工場とヒトが交わることにより、新しいイノベーションの芽が生まれることを目指しています。

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